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糖尿病腎症とは
糖尿病腎症は、糖尿病が継続して腎臓にダメージが生じる結果、腎臓の機能が低下する疾患を患います。そもそも腎臓は、体内の不要物質排泄や水分調整、血圧調整、血液の弱アルカリ性維持、ミネラルバランスの調整、エリスロポエチンという血液生産のためのホルモン生成、ビタミンD活性化など、生命の維持に重要な働きが多く備わっています。
初めの段階で自覚症状はなく徐々に症状や合併症が現れて、腎臓の機能が低下して腎不全になると透析療法を余儀なくされてしまうのです。そのため糖尿病になったら腎症にならないように定期的に血液検査や尿検査で腎臓の機能が正常かどうか確認します。
糖尿病腎症の治療
糖尿病腎症の治療の主な目的は、腎臓の機能の低下を遅らせて腎機能を維持するための対策を行うことです。
- 食事療法:血糖値コントロールやたんぱく質制限が重要です。具体的には血糖値のコントロールを行い糖尿病の良好な管理は糖尿病腎症の進行を遅らせます。食事、運動、薬物療法を組み合わせて血糖値を正しい範囲に留めましょう。
また、たんぱく質の摂取は腎臓に負担をかけるため、医師の指示に従ってたんぱく質摂取の制限を行います。血圧のコントロールも重要な観点からは塩分管理も必要です。
- 運動療法:血糖値コントロールや肥満改善には必要になりますが、重症度の高い腎症をお持ちの方や血圧を上げすぎる運動は注意が欠かせません。主治医と相談しながら行います。
- 薬物治療:腎機能を保護する効果のある薬剤や、尿中のアルブミンの排出を減少させる薬剤で対処します。血圧が高い方はACE阻害薬やARBと呼ばれる薬が、糖尿病腎症の治療に有効です。
- 透析治療:腎臓の機能が大きく低下した場合、透析治療が必要となることも。これは、腎臓の機能を補完する治療方法です。
糖尿病腎症の治療は、病状の進行度や患者の状態に応じて個別に調整されるため、定期的な医師との相談します。
透析療法とは
透析療法は腎臓の機能が大幅に低下し、身体の老廃物や過剰な水分を正しく排出できなくなったときの治療法の一つです。この治療は、腎臓の浄化機能を模倣して、正常な腎臓の働きを代替します。
透析には主に2つの方法があり、血液透析と腹膜透析です。
血液透析(HD:Hemodiarise):患者の血液を体外に取り出し、専用の透析装置全体的に不要物質や水分を除去し、再び体内に戻す方法です。多くの場合、週に3回程度、数時間の治療が必要になります。
腹膜透析(PD:腹膜Peritonealを使った透析Dialysis):腹膜という膜を利用して体内で血液を浄化する方法です。特定の透析液を腹腔内に注入し、一定時間後に老廃物を含めて透析液を排出するという手順を繰り返します。
どちらの透析方法を選択するかは、患者の体調、生活習慣、医師のアドバイスなど様々です。糖尿病が原因で腎機能が低下する糖尿病腎症患者にとって、透析はその進行の末期に行われる治療法一つになります。
糖尿病腎症の予防
糖尿病腎症は、糖尿病合併症の一つのため、基本は糖尿病予防と同じです。
- 血糖値の管理:日常的な血糖値のコントロールは非常に重要です。定期的な自己モニタリングと適切な食事、運動、薬物療法を組み合わせて血糖値を安定させます。
- 血圧の管理:高血圧は腎臓へのダメージを増加させるリスクがあります。定期的な血圧の測定と必要に応じての薬物治療が効果的です。
- 塩分やたんぱく質の管理:注意するのは血糖値だけではありません。塩分の過剰摂取は高いリスクを上げるため、控えることが推奨されます。また、腎臓に負担をかけるたんぱく質も制限が必要です。
- 禁煙:喫煙は血管を狭め、腎臓への血流を低下させる可能性があります。
- 定期的な健康診断:腎機能のチェックや尿の異常検査など、定期的な健康診断を受けて初期の段階での発見や早期対応が重要です。
糖尿病腎症の予防は、日常生活の中での意識的な行動が鍵となります。早期の発見と正しい予防対策が腎臓を守る基盤になるのです。