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妊娠糖尿病とは
妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて高血糖が認められる状態をいいます。リスクファクターとしては、年齢(特に35歳以上)、過去の妊娠歴、家族歴、肥満、多胎妊娠などが挙げられます。また、アジア人女性は発症リスクが高いとも言われています。
日本糖尿病学会の血糖コントロール目標値は以下です。しかし一般的な参考値でしかありませんので、基本的には主治医の指示に従いましょう。
- 空腹時血糖値 95mg/dL未満
- 食後血糖値 食後1時間値140mg/dL未満または食後2時間値 120mg/dL未満
- HbA1c 6.0~6.5%未満
妊娠糖尿病は母子ともに合併症のリスクが高まるため、妊娠初期からの定期的な健康診断と適切な管理が必要です。早期発見と適切な対応により、母子の健康を守りましょう。
妊娠糖尿病になる原因
妊娠中、母親は胎児の成長をサポートするためにホルモンのバランスが変わります。その胎盤ホルモンの影響でインスリンの抵抗性が高まり、血糖値が上昇する場合があるのです。妊娠前までは糖尿病ではない方も妊娠中に糖尿病になる可能性はあるので、母子の健康のためにも食事管理は重要です。
妊娠中の体重増加は必須ですが、増加しすぎないように調整する必要があります。糖尿病診療ガイドライン2019では以下が適正な体重増加と示しているので参考にしてください。
- BMI<18.5の場合:+9~12kg
- 18.5≦BMI<25の場合:+7~12kg
- 25≦BMIの場合:個別対応(およそ+5kgを目安)
※BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
妊娠糖尿病の検査方法
妊娠糖尿病の診断は、以下の検査方法に基づいて行われます。
50g経口ブドウ糖負荷試験(GTT) : 妊娠中期(24〜27週)に実施されるスクリーニング試験です。50gのブドウ糖を摂取した後、1時間後の血糖値を測定し、140mg/dl以上の場合に疑いがあるとされます。糖尿病の疑いがある方は、下記の75g経口ブドウ糖耐容試験を行います。
75g経口ブドウ糖耐容試験(OGTT) : スクリーニングで疑念が生じた場合に実施される検査です。以下の基準値を1つでも超えていれば、妊娠糖尿病と診断されます。
- 空腹時血糖値92mg/dl以上
- 食後1時間値180mg/dl以上
- 食後2時間値153mg/dl以上
これらの検査により、妊娠中の血糖管理の必要性やリスクの評価が可能です。正確な診断のためには、食事や運動の変更をせずに通常の生活を継続して検査を行います。